「簿記とFPってどう違うの?」
「どっちを取得するのがおすすめ?難易度は?」
など、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
どちらも知名度が高いお金に関する資格だというのは分かるけど、「どう違うのか?」と聞かれると答えられる人は少ないんじゃないかなと思います。
そこでこの記事では、簿記とFPの違いや難易度、どっちを取得すべきかといった事について徹底的に解説していきたいと思います。
簿記とFPの違いを知りたい方やどっちを取得すべきかお悩みの方は、ぜひ参考にして下さい!
簿記とFPの大まかな違いは「対会社か」「対個人か」

まずは簿記とFPの違いを見ていきたいと思います。
どちらもお金に関する資格となりますが、ザックリ特徴を挙げると以下のようなイメージになります。
- 簿記:会社のお金に関わる資格
- FP:個人のお金に関わる資格
簿記は会社の取引を記録し、お金の支出や資産の変化の把握ができたり、決算書を作成する為の知識を学ぶ資格です。
また、数ある資格の中でも圧倒的に知名度が高く、かつ仕事にも活かしやすいことから毎年約5万人が取得を目指す超人気な公的資格になります。
一方のFPは主に個人の方が顧客対象。保険や不動産など生活に関わるライフプランをアドバイスするために必要な知識を学ぶ資格となり、大きく以下の3種類に分けられます。
それぞれ、FP技能士は国家資格、AFP、CFPは民間資格となっております。
中でもFP技能士は取得しておきたい資格ランキングで毎年安定してトップ10圏内に入る常連資格で、こちらも簿記同様人気があります。
参考:取得したい資格ランキング
簿記とFPの受験資格や難易度は?どっちが取得しやすいの?

簿記、FPともに人気で就職に強い資格ですので、どっちも取得したい方も多いはず。
そこで気になってくるのが「難易度」ですね。
ここからは、それぞれの受験資格や難易度を比較していきたいと思います。
簿記とFPの受験資格の違い
簿記とFPでは受験資格が異なります。
以下にザックリまとめてみましたのでご覧下さい。

日商簿記の受験資格
- 学歴・年齢・性別・国籍による制限なし
- 1級や2級からの受験や、1級・2級、2級・3級の併願受験も可能

FP(ファイナンシャルプランナー)の受験資格
- 学歴・年齢・性別・国籍による制限なし
- 《3級》
・制限なし(FP業務に従事している者または従事しようとしている者)
- 《2級》
・日本FP協会認定のAFP認定研修修了者
・3級FP技能検定合格者
・2年以上のFP業務実務経験者
・厚労省認定金融渉外技能審査3級合格者
- 《1級》
・5年以上のFP業務実務経験者
・FP2級を取得かつ1年以上のFP業務実務経験者
まず、日商簿記はどの級からでも受験でき、2級・3級、1級・2級の併願も可能ですので、自分の力量に合った級から挑戦できます。
対してFPですが、初心者は必ず3級から受験する必要がありますし、1級、2級に関しては条件をクリアしている方しか受験資格が得られない内容となっております。
受験資格で見ると簿記の方が門戸が広い事がわかります。
簿記とFP、取得しやすいのはどっち?過去の合格率から考察
次に、日商簿記試験とFP試験の難易度を見ていきましょう。
日商簿記とFPの過去5回分の合格率を表にまとめてみましたのでご覧ください。
- 合格率は2021年3月時点での過去5回分をピックアップしています。
- FP試験の主催はFP協会ときんざいの2つがありますので複合の合格率を算出しています。
- FP試験は学科と実技がありますが、ややこしくなるので学科の合格率だけ抜き出してます。
参考:FP合格率(FP協会)
参考:FP合格率(きんざい)
上図の通り、2級、3級で見るとFPの方が圧倒的に合格しやすいと言えます。
FP2級、3級の合格率が高いのには以下の2つの理由が考えられます。
まずは試験形式です。
簿記とは違い全てマークシート形式の択一問題であり、学科に関しては3択または○×式での出題となっているため、非常に解答しやすい形式となります。
また、FP試験はオーソドックスな問題が出題される傾向が強いため、合格率が高いと考えられますね。
逆に、当サイトでも何度か取り上げましたが、日商簿記2級の難易度は爆上がり中なので。。
なお、1級に関してはどちらも10%前後と、かなり難関の試験内容となっておりますので、両資格でそれほど大きな難易度差はないでしょう。
ここまでをまとめると、受験の門戸が広いのは簿記だが、取得しやすいのはFPという結論になります。
就職・転職に有利なのはどっちの資格?

ここからは、簿記とFPのどちらが就職・転職に有利なのか見ていきたいと思います。
以下に、それぞれの仕事で活かせる仕事を挙げてみましたのでご覧ください。
簿記が活かせる仕事
まず、簿記が活かせる仕事から見てみましょう。
他にもまだまだありますが、上記の業種などで簿記の知識、資格を活かす事ができます。
前文でもお伝えしましたが、簿記は「会社のお金に関わる資格」ということで、会社のお金の支出や資産の変化の把握ができます。
どの業界にも経理の部署は存在しますので、経理の業種だけで考えても就ける先が多いことが分かりますね。
また、簿記の観点から物事を考え、損益分岐や利益を的確に判断できるのでどの企業にでも応用し仕事の効率をプラスにすることが可能です。
このように、簿記は幅広く仕事で活かせるため、老若男女・職業関わらず多くの人が取得を目指しています。
なお、簿記が活かせる仕事についてもっと深堀りした内容の記事もご用意しておりますので、宜しければご覧ください。
簿記資格を最大限に活かせる職業・仕事をまとめてみた
FPが活かせる仕事
ではお次にFPが活かせる仕事を確認してみましょう。
FPは「個人のお金に関わる資格」ですので、各個人に合わせた資金計画を立てアドバイスをする仕事がメインになります。
ちなみに、私が最近携わったFPの例としては保険窓口のスタッフの方がおられます。
私の収入や家計の事情などをしっかり聞き取り計算し、一番合った保険プランを提案してもらいました。
このように、生活をしていく上で必要なアドバイスができるお金の専門家がFPとなります。
お金の面からライフプランを見直し改善のアドバイスもできることから「ホームドクター」とも呼ばれています。
FPの資格は主に金融や保険アドバイザーの仕事をしている人がメインに取得していますが、家計の資金管理にも役立つことから主婦にも大人気の資格です。
就職・転職に有利なのはどちらかといえば簿記!
世間一般的に考えると、どちらも就職・転職に有利であることは間違いありません。
ですが、どちらかに絞るとするなら簿記ですね。
簿記はリクルートが各企業にアンケートし掲載している企業が求める資格ランキングにて、毎回トップスリー以内に入るほど人気の資格ですので、それだけ多くの企業に求められているということになります。
このランキングの結果からも、FPよりも簿記の方が有利と言えるかと思います。
ただ、簿記が有利といっても日商簿記に限りますので、そこは注意して下さいね。
他に全商や全経といった種類がありますが、日商とは全然難易度が違うので。内容や難易度の違いは別記事でまとめてます。
簿記資格の種類と違い〜日商/全商/全経の級ごとの難易度・合格率を比較〜
なお、FPの資格が活かせる仕事ではもちろんFPの方が有利となりますので、自分の就きたい仕事に合う的確な資格を見極めましょう。
ダブルライセンスとしての簿記とFPの相性は?
次に、簿記とFPのダブルライセンスとしての相性はどうなのか見ていきましょう。
結論としては、めっちゃ相性いいです!
簿記の知識+FPの知識というのは、ドラクエで例えると上級職の賢者と魔法戦士の両方を極めたようなものですね。
ドラクエを知らない人はピンと来ないかもしれませんがw
経理の仕事で簿記の知識を活かすだけでなく、FPの知識も活かせれば会社での信頼度が増し、昇給や昇格に有利になるでしょう。
当然ですが、転職にも有利です。これらの資格を取得できていれば、履歴書に書くだけでも「この人は努力できる人材だ」という証明になりますし、かなりのプラス材料になります。(※ただし、2級以上でないとあまり評価されない傾向がある)
また、簿記のスペックで会社の決算書が読み解け、FPのスペックで金融商品の知識が身に付きますので、株式投資など資産運用に活かすことも可能です。
株式投資の成功者には簿記とFPの資格を持っている人が多いらしく、これは資格の知識を活かして最善の投資戦略が立てられるからでしょうね。
その他、簿記とのダブルライセンスについては別記事もご用意しておりますので、こちらも参考にしてください。
ステップアップしたい人必見!簿記資格と合わせて取りたい資格7選
まとめ

ここまで、簿記とFPどっちを取るべきなのかや、それぞれの難易度や仕事内容などについて解説してきましたが、はっきり言えることは「どちらの資格も魅力的で仕事に役立つ」ということです。
日商簿記やFPは3級では就職や転職において少々弱いものの、2級以上の取得ができれば昇給や昇格においても有利に働きますので、非常に価値の高い資格だと思います。
どちらの資格も取ってもメリットがあることは間違いありませんので、ぜひとも積極的に取得を目指していきましょう!