複式簿記と単式簿記の違いをまとめてみました

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【簿記】と一口に言っても、複式簿記単式簿記という2つの種類があることはご存知でしょか?

一般的には簿記という言葉でひとくくりにされている事が多いのですが、この2つはザックリ何が違うのかというと、記帳の方法が異なります。

と、まぁそれだけ言われても何の事かサッパリわからないと思いますので、この記事では複式簿記と単式簿記の違いについて解説していきたいと思います。

これから簿記に触れていこうとされている方は是非ご覧ください!

単式簿記とは一体何?その特徴とは

まず単式簿記から解説していきますが、簿記と聞いて単式簿記を思い浮かべることはあまり無い、言ってしまえばあまり一般的でないのがこの単式簿記です。

実は皆さんも子供の頃に誰にも教わらずにこの単式簿記に触れているかもしれません。それは何かというと、お小遣い帳の事です。これが何を隠そう単式簿記なんです。

例えばお小遣いとして100円をもらった場合、お小遣い帳には以下のように書いたのではないでしょうか。

これはつまりお金が100円増えたということで、小学生でも分かるくらいとても簡単なものになります。

それでは、100円を人から借りたらどうなるでしょうか?借りたお金は返さないといけない、つまり借金をしているということですから、単なる収入として扱ったらまずそうですよね。

これを単式簿記に記入するとなると…これが難しいんです。

お小遣い帳にはお金が増えた、お金が減った、現在の金額くらいしかしか書く欄がありませんし、単式簿記ではこのような単純なお金の増減しか記録出来ないんです。

その取引の意味や理由までは記録できないので、会社で様々な種類の取引がある中でそれが記録できないとなるとマジデキツイですよねw

で、会社では様々な取引があると書きましたが、そもそも簿記における取引とはどのようなものを指すのでしょうか。

私達の一般的な感覚ではお店で品物を買うことが取引と思いますよね?

勿論これも立派な取引なんですが、その他にも従業員にお金を払るのも取引ですし、お金を盗まれてしまっても取引というんです。誰も泥棒と取引なんてしてないんですけどねw

それでも、簿記における取引の視点から見れば取引として成立するんです。

少し話は逸れましたが、こういった内容に関しては単式簿記では記録できないのですが、もうひとつの記帳方法である複式簿記ではそれが出来るんです!

複式簿記とは一体何?その特徴とは

先ほどの項目で、単式簿記では取引の意味や理由を帳簿に記録できないが、複式簿記ではそれができるとお伝えしましたが、それは一体どういう意味なのか例を挙げて見ていきましょう。

先ほどと同じお小遣いを100円貰う事を例にしてみると、単式簿記では現金が100円増えたという事しか記録出来ませんでしたが、これが複式簿記だと「現金」という資産と「お小遣い」という収入が100円ずつ増加します。

は?100円ずつ??それだと200円増えてるじゃん!管理人ついに頭がおかしくなったんじゃねぇの?

いや、待って、まだ頭も大丈夫ですw

増えた「現金」は間違いなく100円ですが、それと同時に「お小遣い」という収入が100円あったという記録をしているのです。

複式簿記的に現すとこんな感じになります。

借方 金額 貸方 金額
現金 100 お小遣い 100

これで複式簿記上ではお小遣いという収入が100円増えたという意味になるんですね。

では、50円のお菓子を買った場合は、どうでしょうか?
「現金」という資産が50円減って「お菓子代」という費用が50円増えます。

これを複式簿記で現すと以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
お菓子代 50 現金 50

実際に簿記を勉強するときには【お小遣い】や【お菓子代】という科目は使いませんので間違えないようにして下さいねw あくまでもここではわかりやすいようにそう表現しているだけですので。

で、ここで出てきた資産って何?と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、資産とは「自分が所有するお金やモノ」の事です。

現金は手元にある自分のお金のことなので、一番分かりやすい資産ですよね。他には銀行預金や、家、土地、車なども資産として扱われます。

まぁザックリ複式簿記とはなんぞやと言うと、複式簿記は会社での取引もすべて記録できる複雑な家計簿とでも言っておきましょう。

単式簿記では白色申告しかできない!青色申告には複式簿記が必須条件


上記で複式簿記は会社での取引もすべて記録できる複雑な家計簿と申し上げましたが、事業をするにあたっては複式簿記は必須です。

その理由として取引の記録が出来るというのももちろんなのですが、単式簿記では白色申告しかできないのに対し、複式簿記で記帳した場合は青色申告ができます。

この青色申告をする事によって、赤字で決算期を迎えた場合でもその赤字の金額を翌年以後3年間にわたって繰り越すことが出来るため、節税という意味では非常に有利になります。

また、個人事業主に関しては更にメリットがあり、最高で65万円の控除を受ける事もできるんです!これ、事業をするにあたってかなり大きいですよね。

やはり国からしても複式簿記というしっかりとした記帳方法で申告してくれた方が脱税とかも防げますし、素人にはとっつきにくく知識がいる申告方法で申告してくれている方にはメリットを与えてくれるというわけですね。

複式簿記は利益を求める事が出来る!


単式簿記と複式簿記の違いとしてもうひとつ挙げられるのが、複式簿記は利益を計算することができるということ。

商売をやっていないと利益計算なんてしないということはありませんし、本当は皆さんも利益計算をしているはずです。

では、先ほどのお小遣いでお菓子を買ったという取引を例に考えてみましょう。

    • お小遣いを100円貰ったので現金が100円増加
    • そのうち50円でお菓子を買ったので現金が50円減少
    • よって残り50円となり、これが利益

いやいや、そんなの複式簿記じゃなくても分かるわい!と言いたいところですが…

では、もしも最初から100円持っていたらどうなるかと考えてみた場合、100円+100円-50円で、利益は150円になりますか?

これはある意味引っかけっぽくなってしまうかもしれませんが、最初から持っていた100円はお小遣いではないのため、収入のカテゴリに入れることは出来ませんので、利益150円とは書けないのです。

しかし、お小遣い帳のような単式簿記の方式では繰越分として100円増えたと書くしかありませんので、この100円が自分の分か、はたまた誰かに借りたモノなのかまではわからないので、正確な利益がいくらかというところまで算出ができないんです。

そんなの会社では困りますよね。

これが複式簿記を用いて記帳すると、以下のように利益がいくらかというところまで算出ができるようになります。

■貸借対照表
借方 金額 貸方 金額
現金 150 資本金 100
利益 50
■損益計算書
借方 金額 貸方 金額
お菓子代 50 お小遣い 100
利益 50

このように、複式簿記では【貸借対照表】【損益計算書】というものを作成することによって、その時点での利益を求めることができますし、同時に現金資産も確認することが出来ます。

上記の場合、資産の増加は200円で減少は50円でしたので、これを差し引きすると現在の手持ち金額は150円となりますが、それが上の貸借対照表でもしっかり確認できることがお分かりいただけるかと思います。

複式簿記はこのように同時に二つの事象を詳細に記録できる二面性を持っており、非常に便利な記録方法です。

会社ではいつお金が入って、そのお金が純粋な収入なのか借金なのかを明らかにしないといけませんし、借りたお金までが全部収入であると判断されたらそれだけ余分に税金を払わないといけなくなるので、そんなことをしていたら日本の会社は全部潰れてしまいますw

このあたりを正確に記録して税務署に申告するためにも複式簿記は必要不可欠なものであり、会社を運営していく上でなくてはならないものであるということがお分かりいただけるかと思います。

複式簿記と単式簿記の違いまとめ


さて、今回は単式簿記と複式簿記の違いについて紹介してきました。

単式簿記は家計簿のようなイメージで、単純なお金の増減だけを記録し、その理由や意味までは記録出来ないというもの。

一方の複式簿記では、お金の増減だけでなくお金やモノの増えた理由や意味も記録できますし、青色申告もでき、利益を計算できるという大きな特徴があるので、会社を運営していくにあたって絶対に必要な記帳方法です。

簿記検定で学習するのは基本的に複式簿記の記帳方法ですので、簿記検定=複式簿記という感じで覚えておいてもらってもよいでしょう。

簿記検定で単式簿記は使用しないといっても意味くらいは知っておいた方がいいですし、ざっくりと違いだけでも言えるようにしておけば充分かと思いますので、この記事を参考に自分なりに噛み砕いて頭に入れておくようにして下さいね!



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