簿記検定の有資格者は就職や転職に有利という情報は巷で良く耳にします。
会計系の知識は会社を運営していくにあたって必ず必要ですので、簿記で勉強したことがそのまま業務で活かせるためそう言われているのでしょう。
しかし、中には「簿記なんて全く役に立たない」という意見もあり、これから受験しようか迷っておられる方にとっては「どっちやねん!」と関西弁でツッコミをいれたくなるところでしょう。
そこでこの記事では、簿記の有資格者は就職や転職に有利なのか、はたまたそうではないのかを、市場のニーズを元に徹底調査してまとめました!
「簿記を取れば就職・転職に有利になるの?」
「就職するために何かの資格を取ればいいのか迷っている」
こんな疑問をお持ちの方は是非ご覧下さい!
求人媒体で簿記資格のニーズを読み解く
まず、簿記の有資格者のニーズを、求人媒体を使用して読み解いていきたいと思います。
今回使用する求人媒体は皆さんご存知「ハローワーク」と、「求人ボックス」です。
ハローワークは誰もが知っている厚生労働省管轄の求人サービス。求人ボックスは食べログや価格.comの運営会社である株式会社カカクコムが運営している求人情報サービスなので、信頼性も非常に高いので選びました。
まず、絞込み条件として給与の額は指定せず、全国で正社員の募集件数を調べてみました。
それぞれ入力したキーワードごとの検索ヒット件数は以下の通りです。
(※検索はすべて2020年3月に行ってます)
上記のようなキーワードで検索した場合、なかなかの件数がヒットしてきました。
まぁ今回は地域指定とかもしてないので、皆さんが検索をされるときはもっと絞られてくると思いますが、それでも「簿記」に関するワードでこれだけの正社員雇用の求人数があるというのは結構需要はあるとみていいのではないでしょうか。
中でも特筆すべきはやはり「簿記2級」でしょう。
ハローワークでは簿記3級に少々差をつけられた件数となっておりますが、求人ボックスでは3級の倍以上の検索結果となっており、そのニーズの高さが伺えます。
以下の当サイト別記事でも書いておりますが、私も3級ではなく「2級」を持っていたという点が担当者の目にとまり、採用に至った経験を持ってますので、3級で終わるよりは2級取得まで目指した方が就職・転職に有利になるかと思います。
他の資格のニーズと簿記を比較
上記で簿記資格に関するニーズを調べました。
自分でやっといてこんなこと言うのもアレですが、正直件数だけ並べられても比較対象がないとこれが多いのか少ないのかも分からないですよねw
そこでお次は、他の有名どころの資格と比較してどうかというところを掘り下げていきましょう。
検索条件、使用する求人媒体は先ほどと同じで、検索ワードだけ変えてます。
簿記と同じく会計系の資格であるFP(ファイナンシャルプランナー)や税理士、公認会計士といったところや、秘書検定や宅建などの人気資格も検索をかけてみました。
結果はご覧いただいたとおりで、簿記といい勝負ができているのは宅建くらいで(求人ボックスは税理士や公認会計士も多いですが)あとはかなりの件数差が出ています。
特に、同じような難易度の会計系資格であるFPと比べてみても、簿記の需要はかなり高いということがこの結果から見て取れます。
税理士や公認会計士は超難関の会計系国家資格ですから、その資格と同等クラスのニーズがあるというのは注目しておきたいところですね。
簿記を持っていたら実務未経験でも大丈夫?
簿記が需要のある資格だということはここまでで大体お分かりいただけたかと思います。
ここまで来ると、お次はこんな事思わないでしょうか?
「いくら簿記を取得したって、実務経験がないと就職できないんじゃないの?」
まさにこれは、私も私の嫁(ともに現在経理部所属)も同じ事を思いましたので、不安に思われている方もかなり多いのではないかと。
そこで、検索条件に「未経験可」を付け加えた場合、募集件数はどうなるのかを調べてみました。

検索条件を増やしているので件数が減るのは当然として、まぁでも結構減りますね(苦笑)
未経験の条件なしの場合から10分の1くらいの件数になっているところもありますし、多少でも経験はあった方が有利であることは間違いありません。
しかし、何もこれは簿記だけに限っただけではなく、どの資格でも未経験者OKというところはかなり絞られてきます。
会社からすると大体同じような給料を支払うわけですので、すぐに戦力として期待できる方がありがたいですもんね。
それでも3級、2級ともに1,000件を超える募集がありますので、実務経験がなくともそこまで悲観する必要はないかと思います。
簿記有資格者の求人例を抜粋してみた
というわけで、ここまで簿記の有資格者の求人がどれほどあるのかという部分を解説してきましたが、実際にどういった求人があるのか気になりますよね。
ここからは、3級~1級までの各級における求人を抜粋してご紹介したいと思います。(ここではハローワークの求人情報を参考にしております)
日商簿記3級保持者の求人例
日商簿記2級保持者の求人例
日商簿記1級保持者の求人例
各級の求人を見てみた感想
ここまで各級ごとの求人を見てきましたが、やはり上の級が指定されている求人ほど待遇面が良かったり休日がしっかりあったりと【良いなと思える求人】が多くヒットした印象です。
上記に挙げたものを見てみても大体そういった傾向にありますし、3級よりは2級、2級よりは1級と上を目指せば目指すほどご自身が思い描いた求人に出会う可能性は高くなると思います。
あと、「経験・資格」の欄にはほとんど載せていませんが、「エクセルやワードが使用できる」という条件を挙げている会社がかなり多くありました。
これは、主に経理で使用する会計ソフトを使用する際に、エクセルシートと連動させて自動入力されるシステムが導入されているものが多くあるため、このような条件を挙げている会社が多くあるのだと思います。(※まぁ普通に請求書作成したり管理シートつけたりするのも基本的にエクセルですからね)
このようなことから、簿記取得を目標にする際はひとつでも上の級を目指す、エクセルやワードの基本操作はできるようにしておくということが大切だと思います。
まとめ

この記事では、簿記の有資格者は就職・転職に有利なのか?という疑問に対し、求人媒体などの情報をもとに解説してきました。
ここまで見てきた結論としては、簿記は他の資格と比べても非常に汎用性も高く、ニーズはかなり高いと言えるのではないでしょうか。
簿記以外の資格についてはそれぞれ専門性が高いため求人数が限定されてきますが、各級の求人例を見ていただければお分かりいただける通り、簿記は様々な業種の募集があります。
これはどんな業種の会社であってもお金を扱わないところなんてないわけで、その管理や整理というものを簿記の有資格であればこなしてくれるという市場全体の意識からきていると思います。
もちろん、より上の級を持っている、実務経験があるということも大事ですが、まずは最初の1歩、「日商簿記3級を取る」ということでかなり就職の間口が広がると思います。
「どうせ簿記なんて持ってても就職や転職に有利にはならないでしょ?」と思われていた方も、ぜひ簿記資格取得にチャレンジして就職・転職するにあたって有利な状況で挑んで下さいね^^