【経理】という言葉を聞くと、どうしても「細かそう」とか「融通利かなそう」という固いイメージを持たれている方が多いようです。
これは経理が会社のお金(数字)を扱う部署というイメージを持っているから余計にそう思われるのかもしれませんね。
まぁ、お金を扱う部署であるということは間違いないのですが、では実際に経理はどういった仕事をしているか皆さんはご存知でしょうか?
このサイトでは簿記検定を取得しようと考えておられる方に向けて様々な情報を発信しておりますので、取得した際の転職先、就職先にはこの【経理】を考えておられる方も多いのではないでしょうか。
漠然と「経理は数字、お金を扱う部署でしょ」というイメージしか持っていないと、「え?意外とこんなこともするの?」という事も出てくるかもしれません。
そこでこの記事では、現役経理部社員である管理人が、経理の仕事内容を実体験も踏まえて解説したいと思います!
これから経理で働きたいと考えておられる方は是非参考にしてみて下さい!
経理は「お金の管理をする縁の下の力持ち」

経理の仕事は一言で表すと「お金の管理」です。
会社を運営していくということは、お金を支払ったり、もしくは受け取ったりという金銭の流れが出てきますが、このお金の流れを正確に管理していくのが経理の主な仕事です。
お金の流れを正確に管理しておかないと、会社の決算の際に必要となる財務諸表の作成や税務署への申告にかなり時間がかかってしまうことになりますし、それだけでなく正しい数字で作成・申告ができなくなる可能性も出てきてしまいます。
普通に考えれば、営業の人や店舗で働いている従業員の方が日々の業務もこなしつつ、お金の管理もしていくとなるとかなり大変ですよね。
それをサポートするというのが経理の仕事の大きな役割のひとつです。
つまり、経理は何かを生み出すような「動」の仕事ではなく、「静」の仕事であると言えますし、会社を経営していくにあたって欠かせない縁の下の力持ちという存在になります。
財務・会計と経理の仕事内容の違いとは?

経理の仕事内容を具体的に解説していく前に、その他の会計系職種との違いを説明しておきますね。
会計系の職種の中では、経理のほかにも会計や財務という部署が存在する会社もあり、それぞれ仕事内容に違いがあります。
大まかな「お金を扱う部署」という点は一緒なのですが、それぞれの部署で特徴があります。
ざっくりまとめると以下のようになります。
このように、同じ会計系部署の中でも財務だけが少しだけ毛色が違います。
とはいえ、この辺りは中小企業では「経理」として一緒にまとめられている会社も結構ありますし、会社によっては多少業務の入れ替わりはあると思いますので、転職や就職を考えておられる方は募集要項をよく確認しておかれることをおすすめします。
年表で見る経理の仕事内容
ここからは、経理の業務内容について見ていきましょう。
この項では年次で必要となる経理の仕事をご紹介していきます。
まずは年表を作成してみましたので、こちらをご覧ください。
※決算月が3月の会社を想定しています。
このように、経理の年次単位での業務は様々あるのですが、中でも一番の腕の見せ所になるのが「決算業務」です。
決算では、会計帳簿を元に損益計算書や賃借対照表といった決算書類を作成することになるのですが、ここは簿記の知識がしっかり頭で理解できていないと相当苦しむことになります。
簿記検定でも「決算整理」などの問題も出てきますが、それを規模の大きな会社単位でしないといけなくなるため、時間もかなり要します。
もちろん他の業務も大事ですが、経理として気合が入るのは間違いなくこの決算時期となります。
あとは源泉所得税の納期特例分の納付があったり(会社の規模による)、各市町村に納付する固定資産税・償却資産税の納付などが業務としてありますが、固定資産税・償却資産税の納付については市町村によって納付時期はバラバラなので年表からは割愛しています。
まぁ、経理の仕事としては決算関係の処理や申告が固まる3~5月と、償却資産の申告時期である1月が繁忙期となり、8~10月は比較的業務が落ち着く傾向にあるので覚えておくと良いでしょう。
経理のひと月の流れ
年次での経理の仕事が分かったところで、お次はひと月で必要となる仕事をご紹介します。
ひと月を上旬、中旬、下旬に分けて表を作成してみました。
こちらも会社によって多少の誤差はあるかと思いますが、税金や社会保険料の納付などはキッチリ期限が決まているため、期限が過ぎるまでに支払いをしないといけません。
自分のビデオレンタルの延滞を払うのは数百円~数千円で済みますが、税金の納付は1日遅れただけでも延滞税がゴッソリかかってしまいます。。
自分のこととなるとズボラな方でも、会社での支払い期限はしっかり守らないと会社にかなりの損失を出してしまうことになるので注意しましょう。(まぁ社会人としては当たり前ですがw)
あとは、大体月初に前月分の実績をまとめ上げて必要部署に資料を提出したり、月末には給与の振込、請求書の締めや発行、支払いなどがあり、ひと月の中での繁忙期としては月初と月末5日ずつくらいと考えておけばいいかと思います。
10日~20日あたりは割と業務は落ち着くところが多いと思うので、この期間に急ぎではないが長期的に見ると重要な仕事(資産の管理や長期計画表作成など)を少しずつこなしておくと、繁忙期の仕事がちょっとはマシになるはずです。
時間があるからといって、間違っても管理人みたいにネットサーフィンしないように!w
とある日の現役経理部社員の1日を見てみよう!
さて、ここからは現役経理部社員のとある1日を時系列で紹介してみましょう。
ここで例として2つのパターンを出すのですが、1つは管理人本人、もう1つは管理人の嫁のパターンです。
(会社は違うものの管理人の嫁も実は経理部ですw)
管理人の経理部でのとある1日
管理人の一日の業務の流れとしては大体こんな感じです。
デスクワークが中心となりますが、公共料金の支払いや税金の納付などで銀行や郵便局に出向くこともルーティンのひとつです。
経理はお金を管理する部署ですので、各口座の入出金チェックや帳簿への記帳、伝票作成などできっちりとお金の流れを記録していきます。
当たり前ですが、このお金の管理をおろそかにしてしまっては経理として自分が働いている意味がありませんので、入念に行います。
また、管理人が務めている会社では会計系の部署は経理部一つなので、財務部が行うような長期計画の予算資料作成や資金調達も行っています。
(※管理人は資金調達の担当ではないので一覧には入っていませんが。。)
皆さんが経理にどういったイメージをお持ちか分かりませんが、私は自分がイメージしていたよりも意外と上司や他部署からの資料作成オーダーも多く、そこに時間を割くことも結構あります。
ですので、これから経理で働こうと考えておられる方は、”自分のルーティン作業だけこなしていればいいんでしょっ”という考えは捨てたほうがいいと思いますし、仕事の優先順位を正確につけ、臨機応変に対応していくことも必要になってくるかと思います。
管理人嫁の経理部でのとある1日
管理人嫁のとある日の業務の流れはこんな感じです。
管理人と比べると他部署との打ち合わせなども多く、労務関係の書類作成なんかも担当しているようなので、経理部だけでなく総務部の仕事も兼ねているような感じです。
実際はこういった企業も多いようで、労務関係あたりは経理部の仕事に組み込まれている事も結構ありますので、事前に自分が行きたい会社の経理はどういった仕事をするのかという事もリサーチしておくとよいかと思います。
労務関係の事ならまだしも、経理のイメージとして他部署との交流があまりないと思い込んでおられる方も割といると思いますので、その思い込みで働いてみたら実際は他部署とのコミュニケーションがかなり必要だったというケースもあるでしょうし、それが嫌で辞めるとなってしまっては時間も無駄になってしまいますからね。
もちろん一般的な経理の仕事である仕訳や残高管理、請求書のチェックや振込処理などもあるので、他の仕事が増えてきたときも一つ一つの業務を丁寧にこなしていくことを意識しています。(嫁談話)
経理の仕事内容まとめ

ここまで経理の仕事内容について管理人の例を交えながら解説してきました。
経理は一般的なイメージとしてある「お金の管理」というところが一番重要な仕事になりますし、正確性や忍耐力、継続力が求められます。
また、1日の流れのところでもお話したように、意外と上司や他部署からの資料作成オーダーも入ってくるケースも多いですし、会社によっては労務関係の仕事や他部署との打ち合わせもあるので、しっかりと仕事の優先順位を判断し、臨機応変に対応していくことも大切になってくるかと思います。
よく友人と仕事の話をしている時に「経理って電卓たたいて伝票作ってればいいんでしょ?めっちゃ楽じゃん!」とか言われることが多いのですが、「そんな簡単なことばっかりじゃないしなめんなよ(半ギレ)」と言いたいところですw
もちろん、簿記検定で学ぶ財務諸表の作成や仕訳なども必要なスキルとなってきますので、これから経理で働きたいと考えておられる方は、簿記検定を取得し、転職・就職を有利に進められるようにして下さいね^^