日商簿記初級とは?取って意味ある?難易度や合格率、勉強方法までまるっと解説!

これから簿記に挑戦する人は、どの級から受けるべきなのか悩まれる方が多いのではないでしょうか。

今回はいくつかある簿記検定の中で日商簿記についてのお話しですが、その中で一番難易度が低いとされる初級について以下のような悩みや疑問をお持ちではありませんか?

「そもそも簿記初級って何?」
「初級を取得してメリットはあるの?」
「難易度は?勉強方法は?」

などなど、これらの疑問や悩みを解決すべく、この記事を作成しました。

ちなみに、以前私は簿記初級について、運転免許で例えると原付免許を取るくらいの感覚で、あまりメリットがないと思っていましたが、調べていくと「案外メリットもあるんだな」ということも判明しましたので、そのあたりも踏まえて解説していきます!

日商簿記初級とは?

日商簿記初級とはそもそも何なのかをはじめにご説明したいと思います。

日商簿記初級は2017年4月に新たに新設された検定級位で、元々は1級、2級、3級、4級と4つの級があった中で、1番難易度の低い4級が廃止されたことにより、代わりに初級が新設された形になります。

4級が現在の初級に代わった理由としては以下の2点が挙げられます。

  • 1級から3級の受験者数は1回の試験だけでも数万人から数十万人いたにもかかわらず、4級は年間で2000人程度と受験者が桁違いで少なかった
  • 出題される内容が3級の範囲と被っている部分が多く問題数も少ないため、実用的でなくあまりメリットが感じられない

こういった背景があり、2017年4月に改良された内容で初級が新設されたわけですね。

では、試験の内容としてはどう変わったのでしょうか。

改良された内容の大きな変化点はインターネット受験が導入されたことです。

今までだと受験できる機会が年に3回だったので、その少ないチャンスを「どうせ勉強して受験するなら更に上の級を目指そう」と考える方が多く、4級は敬遠されがちとなる状態になっていました。

ですが、初級に変わってからはインターネット受験が可能となり、商工会議所指定の各ネット試験会場が決めた日程で、幅広いタイミングで受験が可能になりました。

受験会場と日程の選定は必要になりますが、ちょっと簿記の基礎を身につけて初級から受けてみようかと思う人からすると、以前より敷居が低くなりチャレンジしやすくなったわけですね。

試験範囲としては旧4級の時とさほど変わりませんが、簿記の基本を身に付けて業務に役立てる事を目的とするコンセプトで、入門者向けとして新たに生まれ変わったのがこの初級というわけです。

初級の難易度や合格率は?

初級受験を考えている方は、チャレンジするにあたってどれくらいの難易度で何パーセントくらいの人が合格するのか気になると思います。

他の級の推移と比較して詳しく見ていきましょう。

まずそれぞれの級がだいたいどのくらいの合格率なのかご覧下さい。

以下の一覧表はそれぞれの級の過去5回分(2020年7月時点)の合格率を示しておりますが、2級と3級は年3回、1級は年2回とズレがある点と、旧4級については廃止前のデータになる点をご注意下さい。
■日商簿記過去5回分合格率一覧
実施回 1級 2級 3級 旧4級
前回 9.77% 28.57% 49.08% 25.62%
2回前 8.47% 27.07% 43.08% 41.49%
3回前 8.96% 25.40% 56.08% 49.28%
4回前 13.42% 12.65% 55.13% 34.69%
5回前 5.88% 14.69% 43.80% 41.42%
平均 9.30% 21.67% 49.43% 38.50%

このデータだけでみると、もちろん級が上がるほど難易度が上がって合格率が下がっているのが分かりますが、「4級に至っては3級より合格率悪いじゃん!」って思わずツッコみたくなる割合となっています。

4級は他の級に比べて受験者数が圧倒的に少ないので単純な比較対象にはならないかもしれませんが、このデータからみても4級であっても簡単には受からない内容であったことが分かります。

では2017年以降、初級として新設されてからはどれくらいの合格率になったのかを見てみましょう。
(※初級は受験日が明確に決まっているわけではありませんので、期間毎での算出にしています)

■日商簿記初級過去3年分合格率一覧
期間 合格率
2017年4月~2018年3月 53.83%
2018年4月~2019年3月 57.89%
2019年4月~2020年3月 59.41%
平均 57.04%

ご覧の通り、直近3年の平均では57.04%となり、初級に変わってから合格率が20%近く上がったというデータが出ています。

それでも3級との合格率差はわずかではありますが、2016年まで施行されていた4級よりはかなり合格しやすい試験内容となっているという事が分かりますね。

合格率についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事もご覧下さい。

日商簿記3級と初級の違い

では、簿記初級と1つ上の級である3級との違いについて比較してみましょう。

以下に一覧表を作成しましたので、ご覧ください。

■日商簿記初級と3級の比較表
比較内容 初級 3級
試験日 随時開催 年3回指定日
受験料 2,200円 2,850円
試験方式 インターネット受験 記述式
試験時間 40分 120分
合格点 70点
試験会場 商工会議所指定専門施設
受験資格 制限なし

中でも大きく違うのは試験日、試験方式、試験時間の3点ですね。

まず試験日は、3級が年3回指定された日に行われるのに対し、初級では各ネット試験会場がそれぞれ決めた日程で幅広く受験が可能です。

3級では試験日が年3回と限られているため事前に開催日を確認して準備が必要となりますが、初級は自分が取得したいタイミングで受けられます。これ、何気に受験者からするとありがたいですよね。

また、試験方式も3級は試験会場での記述式ですが、初級はインターネット受験。

試験時間も3級の120分に対して初級は40分と、全体的に敷居が低くなっています。

まぁ商工会議所からしても「もっと多くの人に簿記を取ってもらいたい」という意識から初級の敷居を低く設定しているのだと思いますので、そういう意味では4級から初級に変更したのは今のところ成功と言えるのではないでしょうか。

なお、受験の申込方法については別記事で書いておりますので、そちらをご参照ください。

初級の試験範囲は?どんな問題が出題されるの?

簿記初級の全体像がなんとなくわかってきたところで、気になるのは試験範囲やどんな問題が出題されるのかといったところですよね。

出題範囲の分野は大きく以下の3つに分けられています。

日商簿記初級の出題分野
  • 簿記の基本原理
  • 期中取引の処理
  • 月次の集計

それぞれの内容の詳細をみていきましょう。

1つ目の簿記の基本原理では、取引の種類や意義、勘定、帳簿、証票と伝票といった簿記を学ぶ上で必ず理解すべき要素となります。

簡単な計算はありますが、用語の記憶が中心となっており、数学や算数というイメージよりは国語の問題っぽい感じになってますね。

2つ目の期中取引の処理は、簿記のメインとなる仕訳をするための分野になり、現金預金や売掛金、買掛金、債務や資産、収益と費用などに関する内容が問われます。

3つ目の月次の集計は、毎月の決算を行い、数値を正確に読み取る内容です。

まぁこんなことを文章で言ってもイメージ湧かないと思いますので(笑)、商工会議所が用意してくれているサンプル問題を確認しておかれると良いかなと思います。

日本商工会議所|日商簿記初級サンプル問題

3級では株式会社会計や決算処理という分野もプラスで入ってきますが、それ以外の出題範囲はそれほど大きく変わりません。

初級では問題数がよりシンプルに集約され、簿記の基礎知識が問われる問題内容となっておりますので、入門者向けの試験であると言えます。

なお、出題構成の内訳としては、四肢択一の理論問題が10問で30点、仕訳問題が10問で40点、試算表の金額推定問題で30点の計100点満点の構成となっています。

どれくらい勉強すれば合格できる?勉強方法は?

日商簿記初級は、3級と比較すると限定的な知識で充分対応できます。

とはいえ、全く知識のない人が事前準備もなしで合格できるほど甘くはありません。

それは60%前後という合格率を見ても明らかでしょう。

簿記には独特の用語やルールがあり、入門編といえども一定の勉強は必要となります。

参考書などを購入して独学で勉強するなら、およそ50時間前後の学習時間が目安となっているため、毎日1時間程度コツコツ勉強したとして約2ヶ月ほどの期間を要します。

もちろん個人差もありますし、効率のいい勉強方法を見つけたなら1ヶ月程度で十分合格できる可能性もあります。

オススメの勉強方法としては、とにかく問題を解きまくることですね。

これは初級に限らず簿記検定全般に言えることですが、とにかく色々なパターンの問題に触れ、「どんな問題がきても大丈夫!」という状態にしておくべきです。

簿記初級ではそこまでひねった問題は出てきませんが、もし初級を足掛かりに3級、2級と上を目指すのであれば、しっかり知識の地盤を作っておく必要があります。

よくテキストを読んだだけで理解したつもりになっている私みたいな(笑)人もいますが、しっかりアウトプットしないとなかなか身になりませんので、そのあたりも意識して勉強に取り組んでいただければと思います。

また、「独学ではちょっと難しそうだな。。」と感じるのであれば、通信講座などを受講する手段もありますので、自分に合った勉強方法を見つけていきましょう。

日商簿記初級を取ることで得られるメリットは?

日商簿記初級の資格を取得していれば、もちろんメリットもあります。

まず就活においては履歴書に書く事ができ、簿記の基礎知識を持っているとアピールすることができます。

2級3級と比較するとどうしても物足りなく感じてしまわれる側面はあるかと思いますが、今後実務を経験しながら上の級を目指していくというアピールの材料にすることは可能でしょう。

また、3級や2級、更に上の1級や税理士資格の勉強の基礎として役に立つことはもちろんのこと、簿記の基本となる考え方が備わるため、例えば家計簿をつける際にも会計学の観点から正しい分析をすることができるようになります。

簿記の知識というのは仕事のみならずプライベートでも役に立つ場面がありますので、初級を取得することによって損をすることはないでしょう。

まとめ

ここまで日商簿記初級について長々とお話をしてきました。

初級を取得することで簿記の基礎知識を習得でき、今後のビジネスシーンにおいてステップアップする土台を作ることができるでしょう。

記事中でもお話しした通り、初級だけでは世間の評価的には弱いところがありますので、3級の取得はもちろんのこと、即戦力として評価が高まる2級の取得を目指さなくてはもったいないというところが本音です。

簿記の上位級資格は資格手当を設けている会社もありますし、求人に引っかかる確率ももちろん上がります。

2級についても努力すれば十分合格を狙える範囲ですので、まずは簿記初級を取得して基礎知識を身につけ、徐々にステップアップさせていくことを目標としていきましょう。

で、この記事で一番認識していただきたいのは、簿記入門者向けの初級とはいえども、しっかり勉強しないと簡単には受からないということです。

「初級なんて余裕余裕♪」なんて思わず、しっかり勉強した上で試験に挑んで下さいね。



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